浦和MF鈴木啓太(34)が今季限りでの引退を表明した。

 すでにクラブ退団は公になっていたが、試合後の退団セレモニーで「ここでみなさんにご報告があります。鈴木啓太は今シーズンをもって、引退することを決断しました」と切り出した。

 「自分の言葉で、愛する皆さんに直接お伝えしたくて、この場所で発表することにしました。サッカー少年が、プロ選手として成功することを夢見て、静岡から出てきました。でも、お前は浦和の男だ、オレたちの鈴木啓太だと認めてもらえたことこそが、本当に何よりもうれしかった。僕の心には、レッズ以上に愛するクラブはありません。だから浦和の選手で始まり、浦和の選手で終わることにします」と、涙で声を詰まらせながら語った。場内一周した後には、選手たちから背番号にちなみ、13回胴上げされた。

 鈴木は東海大翔洋高から00年に浦和に入団。01年からレギュラーに定着した。06年にはオシム監督の高い評価を受けて日本代表入り。多くの選手を試したオシムジャパンで、唯一全試合で先発出場した。同年に浦和をリーグ優勝に導くと、07年にはアジア・チャンピオンズリーグ制覇にも大きく貢献した。09年からは主将も務めた。

 その後もチームの主力として活躍してきたが、14年11月の横浜戦で突然体調不良になり、前半だけで交代。不整脈と診断された。その影響もあり、15年はリーグ戦出場わずか4試合にとどまっていた。J1通算379試合出場10得点。日本代表通算27試合出場無得点。