盛岡はホームで福島との「みちのくダービー」を制し、リーグ最終戦を白星で締めた。MF松田賢太主将(31)とFW谷村憲一(20)の地元出身2選手が活躍。今季限りで退団する鳴尾直軌監督(41)の最後の試合に花を添えた。

 前節に11位が決定した盛岡が、ライバル対決で意地を見せた。前半6分、松田主将がゴール正面で相手GKをかわして先制。その2分後には盛岡商で後輩にあたる谷村が追加点を挙げた。後半6分にもゴールを決め、自身初の1試合2得点の松田主将は「勝って鳴尾さんを送り出したかった」と地域リーグ時代からコンビを組む指揮官との別れを惜しむ。先制の起点にもなった谷村は「今日はFWでしたが(好不調の)波をなくして(本来の)ボランチでも常に出られるようにしたい」と監督起用に応えた。

 東北リーグからの“飛び級”でJ3参入の昨年は東北勢最高の5位に輝いたが、今年は7位福島、8位秋田の後塵(こうじん)を拝した。だが、この日は福島からホーム初白星を挙げた。4年間指揮し、チームの礎を築いた鳴尾監督は「このクラブに携われたのは一生の財産。最後に一体感のあるゲームができた。これまでの経験を生かしてほしい」とエールを送った。【佐々木雄高】