G大阪FW宇佐美貴史(23)が25日、欧州再挑戦の思いを打ち明けた。13年6月の古巣復帰後から続く海外への興味を包み隠すことはなかった。その上で「チームは佳境中の佳境」とし、28日のチャンピオンシップ(CS)準決勝・浦和戦(埼玉)に照準を合わせた。この日は大阪・万博練習場で決戦に向けて本格練習を開始した。

 リーグ3位の19得点が示す今季の活躍で、宇佐美には欧州クラブからの熱視線が注がれている。注目の去就問題。浦和戦を3日後に控え「話せることはありません」としながらも、再挑戦への思いは隠さなかった。

 「そこの気持ちは(日本に)帰ってきた時からある。はい上がろうと思って帰ってきているので。海外でどうしていくのかというところ」

 13年6月、期限付き移籍で2年間在籍したドイツからG大阪に戻った。当時は「苦しい2年間で、大きな挫折をした。この悔しさを生かさないといけない」と原点からの再出発を誓った。その後は14年に3冠獲得の原動力となり、日本代表にも定着。Bミュンヘン、ホッフェンハイムでの苦難をむだにはしなかった。

 22日の山形戦はドイツ1部シュツットガルトのスカウト担当、ギド・ブッフバルト氏が視察し「宇佐美は1つの目的」と明言。海外メディアは、スペイン・バレンシアなど複数のクラブが興味を示していると報じている。2年連続の年間王者への可能性が生まれ、宇佐美はこの日も「チームは佳境中の佳境。大事な時期」と集中モードだが、今後は状況を見ながらクラブとの話し合いの場が設定される見込みだ。

 一戦必勝の戦いに向けては「そういう舞台で勝たせることができるプレーヤーでいたい」と強い使命感を持つ。欧州再挑戦が実現するのか。その前にJリーグと天皇杯の2冠獲得に全力を挙げる。【松本航】