来季J2の清水は25日、今季までJ2徳島で指揮を執っていた小林伸二氏(55)の新監督就任を発表した。同日、左伴繁雄社長(60)がクラブの公式ホームページ(HP)上で監督人選について異例の「趣旨説明」を掲載。同監督に対する期待の大きさをうかがわせた。

 クラブのトップによるサポーターに向けたメッセージだった。公式HPでは「監督就任のお知らせ」と題し、小林氏のプロフィルとともに、左伴社長がコメントを寄せた。「来季J2での厳しい戦いを勝ち抜くためには、J2クラブでの在籍や指導経験が豊富であり、戦い方を熟知している方でなければいけないと考えた」とした上で、監督人選の要件6項目を公開。打診に至った経緯も事細かく説明し、来季に向けた方向性なども示しながら、小林氏に多大な期待を寄せた。

 来季から指揮を執る小林氏は01年6月からJ2大分の監督に就任すると、02年シーズン優勝でJ1昇格に導いた。05年にはC大阪で16試合負けなしの記録を樹立(当時のJ1最多記録)。さらに08年に山形、13年に徳島と通算3クラブをJ1に上げている。

 過去の実績も重視し「J1昇格請負人」とも呼ばれる同氏は、左伴社長の熱い激励ともいえる“適任”の称号を得たことで、チーム強化や選手補強で自らの「色」を打ち出しやすくなったに違いない。クラブを通じ、小林氏は「まずは1年でのJ1復帰を目指します」と力強くコメントしていた。【神谷亮磨】

 ◆小林伸二(こばやし・しんじ)1960年(昭35)8月24日、長崎県生まれ。島原商高で77年全国総体優勝。大商大を経て、82年にマツダSC(現広島)入り。90年に引退し、広島でコーチやユース監督、スカウトを歴任。98年に日本サッカー協会公認S級ライセンス取得。