株式会社モンテディオ山形の臨時取締役会が1日、天童市内で行われ、全会一致で森谷俊雄新社長(61)の就任が決まった。「来季に向けて戦える経営的なやりくりをしながらサポートしていきたい」と所信を表明し、今季の経営の見通しについて「黒字は確実。5000万は超える」と話した。

 厳しい質問が飛んだ。県庁OBの高橋前社長に続く天下りではとの指摘には「しっかり職責を果たしていくしかない」と宣言。1年でのJ1再昇格を逃した際の進退も問われ「最高責任者として引き受けた以上、しっかり務めていきたい」と話した。当初1日に発表予定だった新スタジアム構想検討委員会がまとめた原案については「目を通している。引き継いで12月中には示していきたい」と答えた。

 高橋前社長の辞任についてどう思うか、との質問には声を詰まらせ「チームのためにも私がどうできるか。来季に影響がないように、何とか頑張っていきたい」と悲痛な面持ちで語った。突然の社長解任劇に不信感が増幅している。会見後にはサポーター2人から前社長の辞任理由の開示を求める嘆願書を託された。逆風吹きすさぶ中、新生山形が船出した。【高橋洋平】

 ◆森谷俊雄(もりや・としお)1954年(昭29)7月4日、山形・河北町生まれ。寒河江高1年秋まで野球部に所属。東北大法学部卒。78年に山形県庁に入庁し、人事課長、総務部次長、企画振興部長を歴任。12年4月から環境エネルギー部長に就任し、15年3月に定年退職。同4月から11月末まで山形県産業技術振興機構の専務理事を務めていた。