日本サッカー協会の次期会長選挙へ立候補の意向を表明した原博実専務理事(57)が2日、東京都内で取材に応じ「オープンな制度で堂々と勝負する。選手や監督、技術委員長としていろいろな経験をしてきた。私のような人間が立候補すべきだと思った」と所信を述べた。

 国際サッカー連盟(FIFA)理事の田嶋幸三副会長(58)も近日中に立候補の手続きをする方針。透明性を高めるため、新たに導入された選挙戦は来年1月21日の告示、同31日の評議員による投票に向け、有力候補の間での活発な議論が期待される。従来の会長選は一部幹部が調整した候補を理事会が承認、評議員会が追認する形式で「密室での選考」との批判もあった。

 今回は立候補の意向を公にしなくても、理事会や評議員の推薦があれば候補者となれる。だが、原氏は早い段階から意見を戦わせるムードを醸成する願いも込め、選挙への活動期間が始まった1日に立候補に必要な書類を自ら届け出た。

 原氏が掲げた「日本代表を強く、たくましくする」といった五つの公約を記した書類は日本サッカー協会のホームページで誰もが閲覧できる。今後は選手、監督としての実績や日本協会で技術委員長などを務めた経験をアピールする方針だ。田嶋氏も「これからお互いの公約をしっかり言い合うことになる」と話している。