湘南に異色の守護神候補が加わった。オーストラリアの強豪メルボルン・シティから移籍加入したGKタンドウ・ベラピ(28)は、ジンバブエ人の父と日本人の母を持つ元オーストラリア代表の実力派。13日に平塚市内での新体制発表会見では日本語であいさつした。

 一見、日本語を話せそうには見えない。だが壇上で「初めまして」とほぼ完璧な発音で第一声。「変なこと言ったら勘弁してください」と断った上で手元のカンペを見ながらあいさつを終えた。取材にも日本語で対応。これならDF陣との連係も問題なさそう。日本人の母にも日本語を習う毎日。小学校のころ日本人学校に通って身に付けた言葉も武器に、憧れのJリーグで新たな挑戦をスタートさせる。

 小さなころから日本代表を見ていた。「あの火事みたい? なユニホーム。川口さんを見ていました(笑い)」。おそらくは98年W杯フランス大会当時の、炎がデザインされたモデルのころの思い出を語った。

 オーストラリア代表歴もありメルボルン・シティでは在籍した元スペイン代表FWビリャのシュートも受けた。「目でフェイントをかけてきたり、すごい大きな経験になった」。正GK秋元が東京に移籍した穴を、松本から移籍してきた村山と争って埋める覚悟だ。

 オコエ、サニブラウン、U-23(23歳以下)日本代表の鈴木、オナイウと注目のハーフの系譜に今年はまた1人、注目の人材が加わった。【八反誠】