MF小塚和季(21)が、ボランチとしての能力をアピールする。高知・春野総合運動公園で1次キャンプを行っている新潟は21日、グループ戦術を取り入れたメニューを行った。J2山口への期限付き移籍から復帰した小塚は、ボランチに入って正確なパスを披露。“武者修行”の成果を見せ始めた。

 前線から連動してボールを奪いに行くグループ戦術が、練習中に何度も繰り返された。その中で、小塚はMF加藤大(24)とともにボランチに入った。しきりに首を振って周囲の状況を確認する。多くの情報をインプットしながら、吉田達磨監督(41)から出される細かい指示に機敏に反応し、ポジションを取り続けた。

 「山口でもボランチをやっていたし、ブロックを作りながら守るのは一緒」と、“武者修行”の成果をさっそく発揮している。今季からJ2に昇格する山口へ1年半、期限付き移籍した。帝京長岡高時代は華麗なパスワークを駆使、チームを全国高校選手権で県勢28年ぶりとなるベスト8に導いた攻撃的MF。山口では、ボランチとして新境地を開いた。

 「新潟でもボランチでの仕事が求められるなら、ゴールにつながるプレーをやっていきたい」。あくまで天性の得点センスで勝負するつもりだ。ボールを扱う技術には自信がある。キャンプ初日の18日からボールを数多く使う吉田流の練習は、大歓迎だ。

 「ボールを蹴る動きも筋肉を使うから、意外に体に疲労がきている」。技術、戦術と同時に肉体が強化されていることも実感する。J1に戻ってきた好素材は進化を感じながらキャンプに取り組んでいる。