「安心して下さい、スタイルですから-」。仙台は21日、今季の初練習を行った。新加入MF水野晃樹(30)は、雪の残るグラウンドにまさかの短パン姿で登場。初日から抜群の体の強さを見せつけた。

 スコットランド時代は「マイナス20度とか経験してますし、大丈夫。これはスタイルですからね」とさらりと言う。この日も泉サッカー場は強風が吹きつける猛烈な寒さだった。それでも最後まで着込むことなく「(足にジャージーが)擦れるのがイヤで」と独自のスタイルを貫いた。

 経験豊富なお兄さん的存在として、すでに若手からモテモテだ。ランニング中は、仙台はえぬきMFの佐々木匠(17)から質問攻めにあう。走りながらいくつも問答を繰り返し「息は上がりながらでしたけど、頑張って答えました」と苦笑するが、オシム氏、日本代表時のことなど、余すことなく語った。

 その行動は自身だけでなく、チームを考えてのもの。「今回は単純な移籍ではない。このチームは自分だけの責任では済まない。良いつなぎ役になれれば。そして東北を背負うという大事な使命もある」と責任と覚悟を持ち仙台へ足を踏み入れた。キャンプインまであと3日。それまでは柏時代の同僚DF渡部博文(28)の家にお世話になり「料理番」を務め、鹿児島へ乗り込む。安心して下さい「料理も得意なんです」。水野十八番の「煮込みハンバーグ」でチームメートを、プレーで仙台サポーターを魅了してみせる。【成田光季】