アジアチャンピオンズリーグ(ACL)の酸いも甘いも知る東京FW前田遼一(34)が、11年ぶりにアジアへの壁を打ち破る。今日9日のプレーオフ、チョンブリ戦に向け、東京は8日、会場の味スタで非公開調整を行った。今季初戦とあって、本拠地の芝生の感触を確認。先発が予想される前田は「ACLにまた出たいという気持ちは常に持っていた」と決意を口にした。

 遠ざかっていた舞台だった。本戦は磐田時代の05年に出場して以来。ACLの前身アジアクラブ選手権では、00、01年に2年連続で決勝まで進出した。出場枠2チームだった04、05年には1次リーグで敗退。勝利も敗北も味わい「楽しみしかなかった大会。国を代表した戦いだから、試合でもケンカが多かったり、アウェーのホテルもすごかったり。最近は他のチームがACLで戦っているのを見ていて、『もう1度立ちたい』と思っていた」と胸に秘めた熱い思いをこぼした。

 勝てば23日から開幕する本戦出場権が得られるが、負ければ閉ざされる一発勝負。「今は使えてもらえているけど、結果を残さないと出られなくなる。危機感を持ってやりたい」。10年分の思いを込めて、今季初陣に臨む。【栗田成芳】