名波磐田が、初めてのタイトルを全力で取りに行く。今日10日、Jリーグ・スカパー! ニューイヤー杯鹿児島ラウンド最終戦が、鹿児島市の鴨池陸上競技場で開催。磐田はJ3鹿児島と対戦する。同杯2連勝で引き分けでも優勝が決まるが、名波浩監督(43)は勝利を目指し、ベストメンバーで臨む意向を示した。

 相手がJ3でも、手を抜くつもりはない。名波監督は全体練習後、ゴール前での居残りシュート練習に付き合い、パスを出して30分以上熱血指導。その後、充実した表情で取材に対応した。記者から、格下との一戦で若手らサブメンバー起用の可能性を問われると、即座に「そんなことはない」と否定し、現状のベストメンバーで臨む意向を示した。2014年シーズン途中で監督に就任して以降、初タイトルがかかった一戦。勝負に徹する構えだ。

 6日の清水との「静岡ダービー」でも、どん欲に勝利を求めた。試合前、「絶対に勝て」と指示。清水の小林監督がGKも含め7人を交代させた一方で、名波監督は攻撃的な4選手を投入した。今季からチームは、3季ぶりにJ1で戦う。現役時代、自身がクラブの黄金期を支え、数多くのタイトルを獲得してきたからこそ、開幕前に「勝ち癖」をつける重要性を分かっている。キャンプは終盤となり、疲労もピークだが、指揮官は「まず勝つこと。攻撃の質を上げないといけない」とも言った。

 また、磐田はこの日、名古屋とのJ1開幕戦(27日)の前売りチケットが完売したと発表した。クラブ関係者によると、開幕戦では「初めて」のこと。J1初采配となる名波監督を後押ししようとするサポーターの機運も高まっている。開幕まであと17日。名波磐田が初タイトルを目指し、最終戦に全てを出し尽くす。【神谷亮磨】