4年ぶりにアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)に出場する東京が「韓国版爆買い」に挑む。今日23日に開幕するACLで、1次リーグE組第1節全北戦をアウェーで迎える。Kリーグ2連覇中の全北は、昨季得点王の元韓国代表FWキム・シンウク(27)を含め、Kリーグ得点ランク上位FW3人を獲得。国内を中心に11人もの即戦力を「爆買い」している難敵が、開幕から立ちはだかる。

 異様な緊張感に包まれ、東京がアジアの戦いをスタートさせる。全北戦に備え、2日前から現地入りし調整。前日公式会見に臨んだ城福監督は「チームとしても個人としても隙をつくらないことがポイント」。午前中に宿泊施設の室内で戦術の確認を済ませた。情報漏えい防止に念を入れ、試合会場での公式練習では戦術やセットプレーの練習は回避した模様。緊迫した情報戦。すでに戦いは始まっている。

 ACL出場権を獲得する前から、全北には警戒心を強めていた。昨季Kリーグを2連覇したにもかかわらず、この冬の補強は次から次へと止まらなかった。得点王のFWキム・シンウク(蔚山)に加え、ブラジル人FWリカルド・ロペス(済州)イ・ジョンホ(城南)らKリーグで活躍するFW陣を爆買い。所属選手を含め、昨季の得点上位10人のうち半分の5人が全北に顔をそろえる。それほど本気でアジアタイトルを奪いにきている難敵だ。

 桁違いの移籍金が飛び交う本家・中国ほどではないが、大手自動車メーカーの資金力をバックに「韓国版爆買い」は、FWだけにとどまらない。昨季まで柏にいた韓国代表DFキム・チャンスや、元オーストラリア代表MFエリク・パータルらも加わり、新人を除いても11人の即戦力が加わった。韓国サッカー関係者によると、既存の選手と新戦力で紅白戦を行い、競わせているという。

 2チーム分以上の豊富な戦力を持つ全北に、DF森重主将は「フィジカルでゴールをこじ開けてくるチーム。1対1の局面で負けないこと」と、受けて立つつもりだ。

 ◆アジア・チャンピオンズリーグ(ACL) 32チームが出場し、1次リーグは全8組で総当たり(ホームアンドアウェー)で実施。各組上位2チームが決勝トーナメント(T)に進む。決勝Tもホームアンドアウェー。優勝すればクラブW杯の出場権を得る。昨季優勝は広州恒大(中国)。