J2清水の若きDFリーダー犬飼智也(22)が守備を統率する意気込みを示した。24日に静岡市内で行われた2部練習に参加。午後の実戦メニューでは積極的なコーチングで守備の陣形を整えるなど、リーダーシップを発揮した。28日に控えるJ2開幕戦(愛媛戦)ではセンターバックでスタメン出場濃厚で「楽しみですし、負けられない」と言い切った。今季から副主将に就任した22歳の表情には高揚感が漂った。

 チームの失点は2年連続で60失点以上と、守備の再構築は今季の最重要課題となる。その中心として、犬飼は不可欠な存在だ。頻繁に小林伸二監督(55)から個別指導を受ける。守備だけでなく、攻撃の第1歩となるパスの精度なども要求される。鹿児島キャンプ中のJリーグ・スカパー! ニューイヤー杯では全3試合で先発するなど、指揮官の期待も大きい。

 守備の改善状況に犬飼は「失点に対するこだわりはチームとして強くなった」との手応えがある。オフにJ1仙台から正式オファーを受けたものの、悩んだ末に残留を決断。中学時代はジュニアユースでプレーし、ユースを経て、12年にトップ昇格。生え抜きにとって、清水は「J2にいてはいけないチーム」とのエスパルス愛も強い。

 13年途中から移籍した松本での1年半ではリーグ戦63試合に出場。J2の厳しさを知る数少ない選手だ。愛媛との対戦経験もあり、特徴も熟知。犬飼は「勝ちにこだわりたい」。開幕戦を完封勝利で飾るべく、体を張る。【神谷亮磨】

 ◆犬飼智也(いぬかい・ともや)1993年(平5)5月12日、静岡市生まれ。12年にユースからトップ昇格。13年途中にJ2松本へ期限付き移籍し、15年に清水復帰。J1通算21試合出場。180センチ、72キロ。右利き。血液型はA。