「ぶれない男」がぶれた。浦和DF槙野智章(28)は今年から口ひげを伸ばしていたが、この日はきれいにそり上げていた。試合後のミックスゾーンで質問が飛ぶと「よ、よくぞ聞いてくれました」と苦笑いで応じた。

 「あまりにも不評。あまりにも不評で、昨日の夜しっかりとそらせていただきました。勝っている間はそらないつもりだったのですが…」。

 特に女性受けが良くなかったと言う。試合中は柏FWディエゴ・オリベイラ相手に1歩も譲らない堅守をみせていたが、一転「耐えられなかったんです」と弱音? を漏らした。

 「今までいろいろなことにチャレンジし、いろいろご批判もいただきました。それでもぶれずに自分を貫いてきた槙野ですが、今回はすぐにひげをそった。周りもいろいろ言ってました。あの槙野がぶれたと」。

 勝っている間は伸ばすという「ゲン担ぎ」の意味もあっただけに、試合直前にそることに懸念もあった。

 「今日勝って、本当にホッとしました。シドニーFC戦で勝ったいい流れが変わってしまうんじゃないかと心配でした」。

 3バック中央でのプレーには手応えがあった。何より公式戦2連勝。ゲン担ぎをやめても勝てる。そんな自信を、個人的には愛着のあったひげと引き換えに得ることができた。