東京の元日本代表FW前田遼一(34)も同世代に負けじと、通算得点147ゴール目を決め、チームに今季リーグ戦初勝利をもたらした。後半6分、MF橋本の左クロスに対し、ニアサイドへ入りすぎた。それでもボールを右足で広角に蹴り込む熟練の技で勝ち越し点。「ああいう形は練習で何度もやった。これを続けられるように1つずつやっていきたい」。今季初ゴールで、01年から始まった通算得点を147に積み上げた。

 同学年の広島FW佐藤が新記録の158点に更新した。試合後に伝え聞くと「ついに決めたか。やっぱり刺激になるし『こっちも負けていられない』という気持ちになるけど、上ばかり見てもいけない。最後に抜ければいい」。同じ81年度生まれのストライカー。Jリーグで互いにしのぎを削り合ったライバルの偉業に静かに闘志を見せた。差は11。1つ1つ地道に積み上げてきた。焦らずに後を追う。

 開幕戦で昇格組の大宮に負けると、チーム内で「サイドへ流れるのではなく、中央で仕事をしよう」と話し合った。「サイドにいたら相手は怖くない。中にいないと点は取れない」。ゴールを奪うことに集中し、ストライカーとしての役割を果たした。【栗田成芳】