「復興のシンボルとして成果を示す」-。仙台は今日12日、ホームで鹿島と対戦する。東日本大震災からちょうど5年がたった11日、仙台イレブンは練習前に全員で黙とうし、本拠初勝利を強く誓った。今節は、負傷のGK六反勇治(28)に代わり関憲太郎(30)がユアスタのゴールマウスを死守する。

 あの日から5年がたった。渡辺監督は11日、「勝利をつかみ取ることと被災された方々へ笑顔を届けることが、ベガルタに課せられた使命」と言い切った。ホーム初勝利へ向け、強い覚悟で臨もうとしている。

 今日、先発を務めるGK関は「(震災に)関わった人が試合を見て元気を出し、復興へ近づけて欲しいと思います」と話した。迎え撃つは強豪・鹿島。昨季のナビスコ杯覇者で、今季は開幕2連勝中だ。しかし、だからこそ関は気持ちを奮い立たせて勝負を挑む。「鹿島とは縁もあるし同じ被災地。土曜日は素晴らしいゲームにしたい」と意気込む。

 GKグループ最年長のプライドも胸に戦う。14年の正GKは、昨季日本代表に選出された後輩に対し「ロク(六反)ほどのプレーはできないが…」と謙虚。だが「自分が代わりに出るなら、勝利に貢献できるよう全力を尽くすだけ」と持てる力の全てを注ぐと誓う。キャンプ中から別調整の石川慧、負傷離脱した六反とGK陣は関1人の窮地。今週は練習生と2人きりで強烈シュートが得意な石野GKコーチの“鬼ノック”を受け続けた。「練習していることしか(試合で)出ないと思いますけど、ホーム戦なのでサポーターの後押しがある。自分とチームを信じて結果を出したい」。ユアスタのゴールは関が守る。【成田光季】