J2清水が、MF河井陽介(26)の持つ「不敗神話」で今季ホーム初勝利を目指す。今日20日は札幌戦。左サイドハーフで先発確実な河井が、過去にリーグ戦で得点した3試合は全て完封勝利のデータがある。チームは、開幕から4試合連続完封のJ2新記録と、昨年5月以来のホーム白星を成立させるべく、河井のゴールに期待している。

 河井は19日、札幌戦に備え、静岡市内での完全非公開練習に臨んだ。冒頭のウオーミングアップで終始リラックスしながら、コンディションを確認。全てのメニューをこなすと、充実した表情で意気込みを口にした。

 「最近、ホームで勝てていないので、必ず勝ちたいです」

 河井が過去に得点したリーグ戦は3戦全勝。全て完封勝利を収めている。今季も初先発したアウェー長崎戦でダメ押しの3点目をマーク。相手GKの手の届かない絶妙なコースを射抜いた技ありのシュートは、J2の月間ベストゴールアワードにもノミネートされた。

 河井は足元の技術が高く、試合を作れる希少な選手で、今節も攻撃の核として期待されている。だが、チームは、J1だった昨年5月の川崎F戦を最後にホームでの勝利がない。今季も2試合連続のスコアレスドロー。首位C大阪とは既に勝ち点4差で、勝利こそが求められる状況だ。河井自身も置かれた立場を理解し、「チャンスでゴール前に入っていきたい」と貪欲に狙う姿勢を示した。

 振り返ると、河井のプロ初得点は、12年ナビスコ杯札幌戦だった。だが、同試合でMF石毛秀樹(21)がクラブ最年少得点記録を更新。リーグ戦初ゴールを記録した13年仙台戦もFW高木俊幸(24=現浦和)のバースデー弾に話題をさらわれた。今季の長崎戦でもFW大前元紀(26)が2得点の活躍。得点しても注目されることが少なかったが、今日の一戦でのゴールは重みが違う。「得点に絡むプレーをしたい」。今季ホーム1号でチームを勝利に導く決意だ。【神谷亮磨】