J3秋田に今季から加入したMF日高慶太(26)が、Jリーグ初ゴールでチームに今季初勝利をもたらした。前半14分、約25メートルのミドルシュートを決め、東京U-23を1-0で下した。日本協会・田嶋幸三会長(58)のおいで、同会長が視察する中、ホーム開幕戦で活躍した。秋田は1勝2分けの勝ち点5とした。

 日の目を見なかった日高が、ホーム開幕戦で輝いた。ピッチは雨で滑りやすかった。「遠めから(シュートを)打っていこうと、チームに意識があった」。前半14分、左足を少し滑らせたことで、シュートしたボールが左に曲がりGKが捕球できなかった。約25メートルのミドル弾。その1点が秋田に勝利を呼び込んだ。

 田嶋会長夫人の姉の息子で、同会長のおいになる。視察に訪れた叔父さんの前での1発に「それは良かったのかなと思う」と話す。それよりも「チームが勝ったのが大きい」と胸を張る。今季2試合とも先制後に追いつかれてドロー。ボランチとして、無失点で終えたことがうれしかった。

 12年に当時J2の山形に入団した。リーグ戦の出場はわずか1試合。出場の8試合カップ戦でもゴールはなかった。13年はJFL町田に期限付き移籍した。昨年は山形でJ1も経験したが「プレーには自信があったが、自分のプレーの場を見てもらうためには」とJ3の道を選んだ。

 間瀬秀一監督(42)は「今季初勝利。ホーム初勝利。日高のJリーグ初ゴール。これだけの結果が出せた」と喜んだ。J3では2年連続8位。苦労人の一撃で、秋田が上位進出への1歩を踏み出した。【久野朗】