同じ勝ち点1でも、受け止め方は対照的だった。

 1-1のドローで終え、1点追いついた東京の城福浩監督(55)は「我々のリーグ戦とACL(3連敗)の流れの中で、勝ち点3が欲しかった」。一方、先制しながらも追いつかれ甲府の佐久間悟監督(52)は「東京という強豪からの勝ち点1は、私の中では3に相当する」と試合後の会見で話した。

 先手を奪ったのは甲府。高さのある東京対策で、セットプレーの練習を重ねてきた。前半15分に右CKを蹴り込まずにパスをつないで、最後はFW稲垣祥(24)が決めた。時間の経過とともに後半に入って「城福監督の交代を注意深く見ていたが、東京はあまり変化がなかった」と佐久間監督。しかし、後半18分に東京FW平山相太(30)から同点弾を許し「一番ケアしていた平山選手にやられた」と天を仰いだ。

 それでも、球際に激しくいき、奪ったら素早く相手サイドバックの後方を突く攻撃は、選手1人1人に染みついているように連動。「甲府スタイル」をやり切っての引き分けに、指揮官は勝ち点以上の手応えを感じているように、選手たちをたたえた。