鉄人が戻ってくる! 仙台のMF梁勇基(34)が、明日30日のリーグ第9節ホーム鳥栖戦で戦列復帰する可能性が高まった。3月19日の名古屋戦で右膝外側側副靱帯(じんたい)を損傷。出場となれば約1カ月、リーグ5戦ぶりとなる。左中臀(ちゅうでん)筋を肉離れしていた元日本代表MF水野晃樹(30)も、全体練習へ参加するなどMF陣は競争激化。リーグ5戦勝ちなし(1分け4敗)中のチームを率いる渡辺晋監督(42)にとってはうれしい悩み? 6戦ぶりの白星奪取へ、準備は整った。

 勝利をもたらす“ベガルタの太陽”こと梁が復活の時を待つ。右膝の負傷により約1カ月間、戦列を離れたが「足はほぼ完治したと思ってる」と完全復活へ向けコンディション良好をアピール。リーグ(J1、J2)連続213戦出場の記録も持つ34歳の鉄人は「けがした間にチームに迷惑をかけた。その分を取り戻そうと思っています」と力強く話した。

 梁不在の間に、チームはリーグ戦4戦未勝利の苦しい1カ月を過ごした。負傷交代した名古屋戦を含めると4連敗、前節神戸戦では試合終了間際に追いつかれ引き分けに終わった。この間、浦和やG大阪など格上対戦が連続したことも要因にあるが、梁は「(チームの)重心が下がり、引きすぎてるのかなと見ていた。もっと自信を持って自分らのスタイルを出してもいいんかなって」と分析する。

 28日の紅白戦では1本目はサブ組、2本目からは主力組の左サイドハーフでプレー。25日の練習試合でも45分間、実戦経験を積み試合感覚などを取り戻した。「動き回って攻撃を活性化させられればいいなと。まずは結果。チームの力になりたい」と頼もしい。

 梁のほか、相次いでいた主力組故障者も復活。GK六反や関、MF金久保や水野らも戻り、タレントはそろった。渡辺監督は「ここまでやりくりが大変だったが、ナビスコ杯も含め底上げもできた。ここからは健全な競争ができる」とニヤリ。いざ反攻! 激烈なポジション争いも、巻き返しをかけた戦いもリスタートだ。【成田光季】