昇格組の福岡が、苦しみながら今季初勝利を収めた。風下の前半を乗り切り、迎えた後半16分。ゴールへ向けて放り込んだFKを1度ははね返されるも、再びMF末吉が右クロスを上げた。中央のFWウェリントンは、マークにつく東京DF森重の動きを右腕1本で制したまま、頭で合わせてねじ込んだ。後半51分21秒に、J1では1623日ぶりの勝利を告げるホイッスルが響いた。

 会見で井原監督は喜びを被災地の熊本に向けた。「地震で被災されている方がいる中で、九州の代表として勇気を与えられるゲームをしようと言っていたことが、今日できて喜ばしいと思います」。4バックに布陣変更し、リードを奪って残り5分を切ったところで、従来の5バックにして守備固め。ロスタイムに献上したPKはバーに救われた。「90分間信じてやれば何かが起こる。それが最後に出て、ポストが防いでくれた」と感謝するように話した。