FW岡崎慎司(30)の所属するレスターが、英国史上最大の番狂わせを成し遂げた。2日、2位トットナムがアウェーのチェルシー戦で引き分けたため、リーグ2戦を残して勝ち点7差となり、プレミアリーグ初制覇が決まった。

 G大阪の長谷川健太監督(50)が、愛弟子の快挙を祝福した。清水の監督に就任した05年に、高校を卒業したばかりの岡崎が入団。欧州移籍するまでの6年間、Jリーグ時代の全ての時間を指導し続けてきた。同監督は「素晴らしいこと。あの頃(プロ入り当時)は、こんな選手になるとは誰も思わなかったんじゃないですか」と喜んだ。

 真面目で努力家。際立った特徴はなくても、妥協することなくコツコツとやる選手だった。プロ2年目の06年にサイドバックに転向した際も不満を顔に出すことなく「どこで使っても期待以上のことをしてくれた」と話す。FWにもかかわらず「足は一番遅かった」。それでもフィジカルコーチの指導を吸収し「試合になったら遅くは見えないようにまでなった」という。

 叱ったことは1度もない。出場機会が少ない時も「『僕は高校時代もサブやベンチ外からスタートしている。ここから頑張ります』と言う選手だった」。厳しく言わなくても努力を続ける姿に、長谷川監督は「オカの姿勢を見て『もうお前に教えることはない』と伝えたこともあった」と振り返る。愛弟子の快挙に「ここまで来ることができたのはオカの努力のたまもの。オカなら何でもあり得る。底が知れない」と、頬を緩ませた。【益子浩一】