現在2連勝中のJ2山形は今日7日、第12節ホーム群馬戦で3連勝を狙う。先月17日の札幌戦で4バックのシステム4-2-3-1に変更後、3戦2勝1分けと好調を維持。天童市内で行われた6日の最終調整で主力組に入り、4戦連続の先発が濃厚のMF汰木(ゆるき)康也(20)が攻撃を活性化させている。自慢の高速ドリブルで仕掛けて今季初のホーム戦勝利をつかみ、リーグ戦では昨年5月10日のJ1柏戦(3-0)以来となる約1年ぶりの歓喜を、大勢の山形サポーターに届ける。

 システム変更後、破壊力を増した新生山形の勢いが止まらない。3バックに比べ、前線に人数をかける4バックで潜在能力を発揮したのがMF汰木だ。「サイドハーフ(SH)は長くやってきたので慣れている。前にスペースがあるので仕掛けやすい」。横浜の下部組織から長く親しんできた左SHで、2列目からドリブルで仕掛けてシュートまで持ち込む。3日の東京V戦は汰木のシュートのこぼれ球から、DF宇佐美が決勝点を決めた。

 石崎信弘監督(58)の狙いがはまった。攻撃が単調で7戦未勝利だった先月17日の札幌戦から前線を4枚に変更。両SHに汰木とMF伊東を初先発させた。「2人はSHの方が生きるじゃろ」。ともに高速ドリブルが持ち味で、前方に広いスペースを与えてこそ輝く。3バック時の1トップ2シャドー(2列目)に比べ、SHはタッチライン寄りに張る分、プレーエリアが広がって前への推進力がより生きる形となった。

 両サイドからの仕掛けが増えたことで、1トップのFW林のポストプレーが利いてくる。186センチの長身で競り合いに強く、ボールを前で収めて攻撃の幅を広げる。先月23日の岡山戦ではカウンターから今季2点目となる決勝点を決めた林は「自分にボールが集まるようになってきた。まだホームで勝ててないのでチームのためにも決めたい」と意気込む。復調した山形が、今季初のホーム戦勝利をつかみ取る。【高橋洋平】