浦和FW武藤雄樹(27)が縁起のいい“岡崎カラー”のスパイクで、浦和サポーターにすしをもたらす。

 16日の練習後に、ミズノ製の「BASARA 101」の新色が手元に届いた。白がベースで、黒とオレンジが配されたカラーリングは、レスターFW岡崎がプレミアリーグで奇跡の優勝を果たした際に履いていたものと同じ。「さっそく履いてみます」と、18日のアジアチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦、FCソウル戦で投入することを明かした。

 国内組でこのカラーを履くのは、武藤が初。“VIP待遇”の可能性を振られると「他のクラブが週末にリーグ戦をやる前に、うちが週中にACLを戦うだけじゃないですか」と苦笑いで否定した。

 FCソウルはクラブ関係者が「ACL出場クラブの中でも実力は屈指」と言い切るほどの難敵。決勝トーナメント1回戦にして、アジア制覇への「ヤマ場」を早くも迎えることになる。

 ホームで戦う18日の初戦では、相手にアウェーゴールを許さないようにしつつ、先制点を奪って優位に立ちたいところだ。それだけに、得点源の武藤に寄せられる期待は大きい。

 頼りになる新スパイクの縁起の良さは、奇跡の優勝を遂げた岡崎と同色というだけではない。スタッフは「武藤はスパイクを変えた直後、ほとんど得点している」と明かす。

 普段の生活ではサイズ26・5センチの靴を履くが、この日届いた「勝負スパイク」は25・5センチ。「スパイクの中で足が動かず、履いているのに履いていないと感じるくらい、一体感が生まれるのが理想」という武藤のこだわりが反映されている。

 新しいスパイクは試合直前にいったん素足で履き、しばらく歩き回って足になじませるのが、武藤のルーティーン。下ろしてから実戦投入まで時間を要さないので、2日後のFCソウル戦にも問題なく投入できる。

 チーム最多タイの今季公式戦7得点の武藤だが「2試合ゴールを決めていないので、おすしも食べられていない」と周囲にこぼす。武藤がゴールを決めると、すしを食べて祝うのがサポーターの風習。それに習い、本人もゴールを決めるまで食べないのが、武藤の生真面目なところだ。FCソウル戦では新色スパイクの有形無形の力も借り、武藤が得点でアドバンテージとすしをもたらす。