浦和が“アジアの笛”をミシャ・プレスで封じ、08年以来のアジア8強入りを果たす。

 25日のアジア・チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦、FCソウルとの第2戦に向け、会場のソウルW杯競技場で最終調整。ペトロビッチ監督は「0-0でも勝ち抜けるなどとは考えず、いつものように攻めて勝つ」と語気強く言い切った。

 今季は攻守の早い切り替えから、ボール再奪取を繰り返し、敵陣に相手を押し込み続ける「ミシャ・プレス」で対戦相手を圧倒してきた。引き分けはもちろん、1点差負けでもアウェーゴールを1点でも取れば8強進出の有利な状況でも、いつもの戦術を徹底させるのには、1つ理由がある。

 浦和はここまで大会7試合で4失点しているが、うち3失点がPKによるもの。相手DFが味方選手の顔を蹴ったのが、浦和のファウルと見なされるなど、明らかな誤審に足を引っ張られてきた。

 ともにアジア最高レベルの攻撃力を誇る浦和とFCソウルの対戦は、決勝トーナメント1回戦にして、今大会の優勝の行方を占うとも言われる。大会屈指の好カードとあってか、ホームでの第1戦では判定面でも、1次リーグのような明らかな判定のほころびは出なかった。

 しかも韓国国内では、全北現代による審判買収疑惑が取りざたされている。FCソウル戦で笛を吹くヨルダン人の主審も、判定に細心の注意が求められる状況にある。

 しかし、それでもどんな判定が飛び出すか分からないのが、広いアジア全体から審判団が募られるACLだ。自分たちでできる「対策」も必要になる。

 可能な限り、相手を敵陣に押し込み続ける「ミシャ・プレス」が機能すれば、たとえ微妙な判定でファウルが取られても、失点に直結するような場所でのリスタートは許さずに済む。

 屈指の好カードを、すっきりした形での決着に持ち込むためにも、浦和がいつもの「前に出続けるサッカー」を貫く。