仙台は2日、東日本大震災復興祈念ユニホームの発表記者会見を行った。ベガルタゴールドとはひと味違い、黄金色に輝く特別版。MF富田晋伍主将(29)と同奥埜博亮(26)がモデルを務め、披露された。仙台の七夕祭りに最も近い8月からのホーム戦(8月13日対柏、同27日対広島、9月10日対横浜)で着用する。

 震災から5年がたつ特別な年に、特別な戦闘服が製作された。前身のブランメル仙台が95年から03年まで9年間、ユニホームにつけていた襟が13年ぶりに復活。七夕のベガとアルタイルのように輝けと決意を込められた、新ベガルタゴールドが基調となった。

 祈念ユニホームに袖を通した富田主将は表情を引き締め、震災当時を振り返った。11年3月11日は試合前日だった。練習を終えて帰宅した後に地震が発生。「当時は独身でしたし、1人どうしていいか分からなくて。近くの泉区役所で一晩を明かしました」。不安いっぱいだったが、そこでの出会いが今も富田の胸に残っている。「いろいろな人の助けで寝る場所やごはんを準備していただいて。あの時の助けがなかったら、本当にどうしていいか分からなかったと思う。感謝したいと思います」。この時、恩返しを誓った。

 祈念ユニホームは8月からのホーム3戦限定で着用する。「3戦に限らず全力でやりたいと思いますが、これを着る試合ではナイターの光もあってより輝けるかな」。特別な夏に、思いをはせた。【成田光季】