仙台のDF菅井直樹(31)が15日、全体練習に合流した。4月中旬に右膝内側側副靱帯(じんたい)損傷で全治8週間の診断を受け手術を行い、これまでリハビリに専念してきた。この日の練習では負傷した右膝にテーピングを施していたものの、ミニゲームを含めた全ての練習を消化するなど力強く走り回り、復調をアピールした。

 背番号「25」がベガルタの輪に戻ってきた。自身初となった手術を乗り越え、菅井は泉サッカー場のピッチで、約2カ月ぶりに躍動した。ミニゲームでは2本続けて定位置の右サイドバックへ入ると、負傷箇所を気にするそぶりもなく、時折笑顔も見せながら、全力でボールを追いかけた。

 試合への復帰は早ければ第1ステージ最終節のアウェー磐田戦(25日)と見込まれるが、本人は「焦らずやっていく」と慎重。負傷後初めて仲間とともにフルメニューをこなし「徐々には戻ってきている」とは言うものの「まだ痛みはある」のが現状だ。全体練習への合流を果たしたが「調子が良いわけでも完全に治ったわけでもないので。まぁ、ゆっくりとやっていきます」と焦りはない。

 完全復活が待ち遠しい。菅井不在の間、チームは17位と低迷したが、現在は10位まで順位を上げ、リーグ3連勝中と波に乗っている。だが目標のトップ5(5位以内)へ向け、得点力アップを図りたい。サポーターの間で呼ばれている“何でここにいるんだ攻撃”が代名詞にもなっている菅井の存在は、チームに必要不可欠である。今季はリーグ戦の先発はなく、ナビスコ杯1試合21分間の出場のみ。開幕直後の大けがで初めて体にメスを入れ「ちゃんと治るのか、元通りになるのかと不安もありました」。それでも診断を受けた全治と「予定通り」のペースで回復した。

 仙台一筋14年目を迎えたベテランMFは「常に戦える準備はしていきます」と頼もしい。「チームも調子良いし、自分のコンディションを見ながらですが、何ができるか考えたい。(チームには)もう少し踏ん張ってもらって、早くチームの力になれるように」と前見つめた。【成田光季】