鹿島が6連勝締めで第1ステージ(S)を制した。2位川崎Fと勝ち点1差で迎えたホームでの最終節。前半27分にDF山本脩斗(31)が先制するなど最下位福岡を2-0で下し、01年後期以来6度目のステージ優勝を遂げた。

 DF植田は笑顔で優勝カップを掲げた。常勝軍団の頼もしい21歳のDFリーダーは「最終節を無失点で優勝できたのは、DFとしてうれしい」と充実感を漂わせた。今季はわずか失点10だったが「第2ステージはもっと失点を減らしていかないといけない」。早くも次の戦いを見据えていた。

 熊本地震で被害のあった宇土市出身。4月中旬、1泊2日の強行軍で故郷に向かい、母校大津高に隣接する大津中などを回った。中学、高校時代に、よく試合をした益城町のグラウンドには何千人が避難していた。疲れながら、物資を探して必死の形相になる人間をテレビ以外で初めて見た。

 宇土市では涙目の市長に会い、泣いた。鹿嶋市内で募金活動をした時は、石井監督と小笠原主将が手伝いに来てくれた。鹿島で、U-23日本代表で「自分にはプレーで見せることしかできない」。故郷を思う男は頼もしかった。