横浜FCが町田を下し、8戦ぶりの白星を手にした。19日の岐阜戦で今季初ゴールを決めたFWカズ(三浦知良、49)は3戦連続で先発のピッチに立った。序盤からお互いがにらみ合う一進一退の展開となり、カズはシュートチャンスがなく後半12分に交代した。

 途中出場のFW大久保哲哉(36)が、後半23分に値千金のヘッド弾。後半30分にDF田所諒(30)が退場になり10人で戦ったが、虎の子の1点を守りきり、3月20日の山口戦以来、ホームでの白星を手にした。

 中田仁司監督(54)は、前半からカズとFW津田知宏(30)に積極的に裏を狙わせ、勝負どころで長身の大久保とFWイバを投入するゲームプランを描いていた。前半で相手の体力を奪い、後半の空中戦で仕留める采配が的中し、指揮官は「ゲームプラン通り」とにんまり。シュート数は横浜FCの5本に対し、町田は11本。カズは「チャンスが少ない中、いい時間に大久保が決めてくれた。お互い我慢の試合だった。前半からやってきたことが報われた。プレーオフ圏内にいるチームに勝つことで自信がつけられた」と振り返った。

 決勝点を決めた大久保は途中出場が多い中で今季5点目。「クロスが上がった瞬間、もらったと思った。プレー時間が短い中でも自分の力を出せるように心掛けている。決められてFW冥利(みょうり)に尽きます」と笑顔を見せた。「岐阜戦はカズさんが先制点を決めてくれたのに逆転されて申し訳ない気持ちもあった。僕らの数少ない先輩の背中を見て勇気づけられている」と偉大な先輩に感謝していた。