親子鷹の鹿島FW垣田がJ1デビューした。高卒1年目で18歳最後の日に先発に抜てきされ、身長187センチの長いストライドで相手を追いかけた。2点リードの前半29分にはDF伊東からの右クロスにニアへ飛び込んで右足を振り抜いたが、空振り。「ああいうチャンスで決めきれなかったことが課題」。後半16分までプレーして無得点だった。

 父健氏(46)は、J開幕前年、ナビスコ杯(現ルヴァン杯)のみ開催された92年に鹿島に所属した。同杯10試合でベンチ入りを果たせず退団。果たせなかった父に夢を託され、幼少期から2人練習に明け暮れた。口酸っぱく言われたのは「でかいだけの選手にはなるな」。試合前に電話すると「この日のために18年間やってきた」と言われ臨んだ“垣田家のデビュー戦”。「もっと決めきる力をつけて、走りきれる体力をもっともっとつけていきたい」。第1ステージ覇者鹿島を底上げする戦力がまた現れた。

 ◆親子2代でJリーガー 93年のリーグ創設から24年目を迎え、父子でJリーガーとなるケースは増えている。日本人親子で初はハーフナー親子。父のディドに続いて、子のマイクが06年にデビュー。水沼親子(父貴史、子宏太)はJ1初の「親子ゴール」を記録。親子が同一クラブに監督と選手で所属した初の例が風間親子。父の八宏監督率いる川崎F(12、13年)に長男の宏希(現J2北九州)と次男の宏矢(現J2岐阜)が在籍。元日本代表FW高木琢也(現J2長崎監督)の長男利弥は現在J2山形、同DF都並敏史の次男優太はJ3長野に在籍。