J2岐阜は22日、ラモス瑠偉監督(59)を成績不振のため解任したと発表した。後任には吉田恵コーチ(43)が昇格、この日就任した。宮田社長は解任の理由を「リーグ戦も後半戦に入り、巻き返しを図るために新しい指導体制で臨むことが必要であると判断した」と説明した。

 今季が3年契約の3年目だったラモス監督には、前日21日に伝えられた。20日に最下位だった金沢にホームで敗れ5連敗。7勝3分け14敗の18位で、J3入れ替え戦出場圏の21位北九州とわずか勝ち点3差と低迷している。宮田社長は「ここで手を打たないと挽回できないと思った」と、J2残留へ早急な立て直しを図るため解任に踏み切った。

 元日本代表のラモス監督は14年に就任。名物監督の誕生は話題になった。平均入場者数は7584人と前年13年より3000人以上増え、総入場者は約1・7倍になった。しかし成績は17位。15年も20位と振るわず入場者数も6179人、今季はここまで5350人と集客面でも陰りが見えた。毎年選手を多く入れ替えるため、戦術も浸透しなかった。クラブ関係者は「チームを育てるという点において、3年契約の強みを十分に生かせなかった」と嘆いた。

 吉田新監督は今季コーチに就任。昨季まで6年間所属した鳥栖では、コーチだった14年にシーズン途中から監督を務めた経験がある。この日、岐阜市内で就任会見を行い「この状況を打開して何とかJ2に残留させられるようにしたい。選手の力を最大限発揮させることに集中したい」と意気込んだ。初陣は25日の首位札幌戦。まずは連敗脱出に期待が掛かる。

 ◆ラモス瑠偉(るい)1957年2月9日、ブラジル・リオデジャネイロ生まれ。77年に来日。読売クラブ、V川崎(現東京V)、京都でプレー。89年に日本国籍を取得し、日本代表として活躍した。98年に引退。ビーチサッカー日本代表監督などを経て06年から東京V監督に就任し、07年にJ1昇格を果たして退任。その後、再びビーチサッカー代表監督を務め、14年からJ2岐阜監督。