ホームのJ2清水は2-0で岐阜に快勝した。前半35分、左クロスをFW鄭大世(32)が左足ダイレクトで合わせて先制。エースの2試合連続ゴールで勢いづくと、後半27分にも左足の強烈ミドルでこの日2点目をマークした。この2得点で今季13ゴールとして得点ランクはトップタイに浮上し、チームも今季4度目の連勝を飾った。次節はアウェーで首位札幌と対戦する。

 エース鄭が重苦しい雰囲気を一蹴した。前半から引いてブロックを作る相手守備陣に苦戦。攻めあぐねてきた同35分、ついに均衡を破った。左サイドでMF竹内涼(25)が粘って中央へクロス。ゴール前で待ち受けていた鄭が、いち早く反応し、左足ダイレクトで合わせて先制点をマーク。「苦しい時にチームを助けるプレーをしたい」と話していた通りの1発を決めた。

 前節アウェー千葉戦に続き、2試合連続で先制点を挙げた。同試合では後半ロスタイムに値千金の決勝弾を決め、チームを勝利に導いた。小林伸二監督(55)も「最近は力が抜けていいプレーをしている。代えがきかない選手」。鄭はこの日の先制点で肋骨(ろっこつ)骨折で長期離脱中のFW大前元紀(26)に並ぶ、今季12点目をマークした。  「得点ランキングは見ないようにしている」と、無欲で得点量産してきた点取り屋は1点では満足しなかった。同27分、途中出場のMF村田和哉(27)からエリア内でパスを受けると、相手DFを背負いながら、ボールをキープ。そのまま反転しながら左足を振り抜き、勝負を決定づけるチーム2点目を挙げた。

 鄭は2試合連続の2ゴールだ。大前が離脱した6月のアウェー町田戦以降の10試合で8ゴールと勢いが止まらない。得点ランクもトップタイの13得点。次節はアウェーで首位札幌戦となる。大一番を前に頼れるエースのギアが、さらに1段階上がった。【神谷亮磨】