強い川崎Fがホーム等々力で夏祭りだ。大久保嘉人(34)と小林悠(28)の両FWが記録的なゴールで競演。甲府に4-0で圧勝しリーグ16戦負けなし。年間と第2ステージ(S)の両順位で首位キープした。

 祭りの主役、川崎Fの小林は試合後、贈られた大きなスイカを笑顔で掲げた。後半11分にJ1記録に王手となる、7試合連続得点を決め4-0大勝に貢献。1位サリナスにあと1に迫った。並んでいたカズ、中山の両レジェンドを超え、日本人では森島、高原含め3人しかいない境地に到達。「試合中から今日も点が取れるんじゃないかという感じがある」。さすがにボールがスイカのように大きく見えることはないというが、夏場ですでにリーグ年間自己最多を更新する13得点。完全に連発モードだ。

 その小林を、日本最高の点取り屋であるFW大久保はこう評する。「前に行く勢いがある。今なら何でも入っちゃう感じじゃないかな」。前日5日、愛息にせがまれセミ捕りに行き大量捕獲。とにかくこの人の“とる”才能は別格。もちろん試合でもしっかり取った。前半44分、MF橋本の左CKをファーサイドで待ち構えて先制弾。自身の持つJ1通算最多得点記録を170とした。キリの良い数字だが「まったくうれしくない」と素っ気ない。終了間際には相手FWダビに突っ掛かられ相手は退場に。「昔の俺みたい」。笑い飛ばす余裕は別格だった。

 快勝し年間、第2ステージの2つで、ともに首位をガッチリとキープ。地球の裏側で開幕したリオ五輪に大島、原川の両FWを派遣しているが、強さは揺るぎない。リオの開会式に負けない熱気が、お祭り騒ぎのホーム等々力をつつんだ。【八反誠】

 ▼川崎Fの大久保と小林のアベック弾 2人が1試合にそろってゴールは今回が16度目。初めて「アベックゴール」を決めた13年3月16日の鳥栖戦は敗れたが、その後は13勝2分けと15戦負けなし。

 ▼J1連続試合得点 小林が歴代2位タイの7試合連続得点。期間中のチームは6勝1分けで、7戦以上連続ゴール中にチームが不敗は02年に7戦連続(6勝1分け)の磐田FW高原に次いで2人目。