G大阪が劇的弾で第2ステージ(S)の優勝戦線に生き残った。同点で迎えた後半ロスタイム。途中出場した192センチのFW長沢駿(27)が頭で決め、本拠地で鳥栖に2-1の逆転勝利。首位川崎Fに勝ち点5差をキープし、4位に浮上した。

 華麗な打ち上げ花火のような1発だ。同点の終了間際。長身FW長沢がMF大森のクロスを合わせた。ジャンプすると2メートルをゆうに超える打点から放たれたシュートは、きれいにゴールに吸い込まれた。第2S優勝戦線に食らいつく貴重な白星。大阪夏の風物詩・淀川花火大会が開催されたこの夜、G大阪の新スタジアムにも大輪の花が咲いた。

 「本当に気持ち良かったです。でもこれで満足せず、まだまだ僕たちは上を目指す。FWが点を取ればチームも勢いに乗れる」

 夏バテ対策が実を結んだ。長沢はデカイだけではなく、運動量も持ち味で、夏は1試合4~5キロも体重が落ちる。そのため夕飯を早めに食べ、就寝前にも夜食をとる。夏場は1日4食。大きくて気が優しい男は「夜に2度も食事を作ってくれる奥さんに感謝」と言う。

 劇的弾をアシストした大森は「駿(しゅん)クンの高い能力を生かそうと思った」。長沢&大森の途中出場2人が逆転を呼び、長谷川監督も「短い時間で得点への執着心を出してくれた」と喜んだ。【益子浩一】