新兵器が姿を現した。アウェー大宮戦を3日後に控えた仙台は17日、台風も過ぎ去り日光が降り注ぐ泉サッカー場でトレーニングを行った。その練習場に初お披露目されたのが高さ5メートル超えの超ロング三脚。存在感たっぷりの“大物”が存在感を示した。

 高~い位置から、紅白戦などゲームの動きの映像を俯瞰(ふかん)して撮ることができる優れもの。J1神戸から今年加わった杉崎健分析担当(33)と、古矢武士強化部長が話し合いの末に導入を決めた。杉崎分析担当によれば「欧州ではよく使われているが、日本で取り入れているクラブは初めて」とのこと。

 米国製。伸縮自在で、最長はこの日の倍となる約10メートルにもなる代物だ。これまで、主にスタッフの目線の高さで撮っていた映像も、操作に慣れればテレビ中継並みの高位置からの撮影も可能だ。より俯瞰した映像を見て、選手も戦術理解を高めることやプレーイメージを作りやすくなる。

 神戸時代、数字嫌いのネルシーニョ監督から「いろいろ教えてくれてありがとう」と言われたほど、データに強い杉崎分析担当。「海外に比べればこれは第1歩にすぎないが、チームのためになれば」。チームは今季からパスをつなぐスタイルを色濃く出す。「単純な数字で言えばパス成功率が格段に上がっています。昨季は70%いかないくらいだったが、80%を超えるほどになっています」という。新兵器により、目標のトップ5(5位以内)へ視界良好?【成田光季】