仙台は今日3日、ホームにJ3盛岡を迎え天皇杯初戦を戦う。初タイトルを目標に掲げる負けられない一戦に、頼もしい男が戻ってきた。右足首靱帯(じんたい)の損傷で戦線を離れていたDF平岡康裕(30)の、公式戦4戦ぶりとなる先発復帰が濃厚となった。

 城を固めて、完封勝利からスタートする。センターバック右が定位置の平岡が戦列復帰する。これでDF陣は左から石川直、渡部、平岡、大岩と今季の最強DFラインの完成だ。チームスピリッツ「堅守賢攻」に欠かせないピースの復帰は、チーム全体の活力となる。

 大金星となった8月6日のリーグ鹿島戦で右足首の関節二分靱帯(じんたい)を損傷。その後の検査で全治4週間の診断を受け、戦列を離脱していた。負傷箇所は、プロ11年間で何度も繰り返してきた捻挫で、実際にはリーグ3戦を外れたが、予定よりだいぶ早く復活してきた。

 「この捻挫は慣れているので(笑い)。多少の痛みが残っていても、良い状態に持っていくことはできる」と、ケガとうまく付き合っている平岡。まだ100%万全ではないというものの、試合2日前の紅白戦では、まるで痛みを感じさせないプレーを披露。前日2日の練習では「合流できて楽しい」とさわやかな笑顔でボールを蹴った。

 別メニュー調整の期間中は「1日でも早く復帰し、チームの力になれればと思っていた。天皇杯の初戦を目指して間に合うよう、焦りながらも慎重にトレーニングをやってきた」と、この日に照準を合わせて、高めてきた。

 チームは昨季8強入りも、柏との準々決勝ではPK戦の末にベスト4を逃している。平岡は「残るリーグ戦へ向けても天皇杯は大事。1つでも良い順位へ押し上げられるように、初戦は気持ちに緩みが出ないよう戦いたい」。気を引き締め、DFラインも引き締める。【成田光季】