サッカー女子なでしこリーグは11日、3カ月半の中断が明けて再開される。5位につける新潟は、4位仙台とアウェーで対戦する。仙台には今季3連敗中。昨年の左ひざ前十字靱帯(じんたい)損傷から完全復活した元日本代表DF小原由梨愛(26)が、難敵攻略の軸になる。

 「これ以上負けるわけにはいかない」。小原は仙台戦への意欲を見せた。不動の右サイドバックは攻撃のスイッチ役。仙台にはリーグ戦前回対戦が0-1、なでしこリーグ杯では0-1、0-2と無得点で3連敗している。相手のサイドバックの裏を狙った攻撃が不発に終わった。「サイドを狙った後、中央を突く形もある。駆け引きが必要」。小原は攻撃にひと工夫を加えるつもりでいる。

 昨年7月、東アジア杯に向けたなでしこジャパンの合宿中に左ひざ前十字靱帯を損傷。全治7カ月と診断された。今年5月のリーグ戦日テレ戦で復帰後、リーグ戦2試合、なでしこリーグ杯は全10試合にフル出場するまでに回復した。

 「ケガをする前に戻すのではなく、今できるプレーを身につけようとした」。以前はスピードを武器に激しいアップダウンを繰り返した。今は先のプレーを予測して味方が動きやすい状況をつくる。「中に入ったり、タイミングをずらしたり。周囲が自分を利用してくれればいい」。

 本格派から技巧派へ変化を遂げて迎えるリーグ戦後半。「優勝するためにも、再開初戦を取りたい」。自身の手応えをチームに注入する。