名古屋の元日本代表DF田中マルクス闘莉王(35)が、復帰戦でチームに19戦ぶり白星をもたらした。

 一時は引退危機に陥っていたが、8月下旬に小倉前監督を解任した名古屋と電撃契約。この日が復帰戦で、センターバックでフル出場した。前半36分に新潟MFラファエル・シルバの突破を強引に止めてイエローカードを受けるなど、体を張った闘争心むき出しのプレーで完封勝利を演出した。

 闘莉王は「帰ってきた理由はグランパスを愛しているから。1人でもサポーターには苦しい思い、悲しい思いをさせたくない。長年、ここに居させてもらって、全力プレーをしてきた。これからも全力プレーであり続けたい。まだ1試合勝っただけ。何も変わりはしない。でも、やっていて、生きているんだなと思うくらい、熱い試合だった」としみじみと語った。

 公式戦の出場は昨季の第2ステージ(S)最終節鹿島戦(15年11月22日)以来。闘莉王は「高校を卒業して、初めて試合に出るような感覚だった。こんなにドキドキしたのは久しぶり。W杯にも出ているのにね。何でだろうね。ブランクがあったからかな」。復帰戦を勝利で飾り、ホッとした様子だった。