柏が鹿島に完勝し、第2ステージ(S)優勝争いに踏みとどまった。前節、年間、第2Sともに首位の川崎Fを5-2で粉砕した勢いで、ホームに第1S王者の鹿島を迎えた。前半は0-0だったが、攻撃の軸の、リオデジャネイロ五輪代表候補FW伊東純也(23)が出場した後半に2得点した。

 柏の下平隆宏監督(44)は後半10分に伊東を投入した。「同点だったら後半すぐ行くぞ」と話していた通り、最初のカードを切ると、3分後に応える。DF茨田陽生(25)のスルーパスを受けた伊東が右サイドを走り、相手の左サイドバック山本脩斗(31)を50メートル5秒台後半の快足で振り切る。右足で正確なクロスを上げると、中でDF2人のマークを外していたFWディエゴオリベイラ(26)が頭で合わせ、ゴールに突き刺した。

 第2ステージは前節まで全10試合に先発していたが、右ふくらはぎ痛のためベンチスタートの伊東は「けがから最近、復帰したばかり。時間も限られているので早い時間からサイドで仕掛けようと思っていた」。先制V弾で、最近3戦5発と大当たりのディエゴオリベイラも「ご存じの通り、イトウは速い。しっかり相手守備を振り切るだろうなと思い(ペナルティー)エリアの中でポジションを取っていた。半分以上はイトウの得点だ」と感謝した。

 後半36分にはFWクリスティアーノ(29)が2点目。追いつこうと前掛かりになっていた鹿島の裏を突き、右サイドを独走してからGK曽ケ端準(37)の頭上に蹴り込んだ。15分前には、自ら獲得して蹴ったPKを曽ケ端に止められていただけに、汚名返上の今季14点目となった。

 第1Sに続いて鹿島に2-0で完封勝ち。リオ五輪代表のバックアップメンバーを務めたDF中谷進之介(20)と、東京五輪を目指すU-19(19歳以下)日本代表DF中山雄太(19)の両センターバックも安定していた。3連勝で5位に浮上。第2S首位の川崎Fとの勝ち点3差を保ち、次節は4位神戸と直接対決する。クリスティアーノが「好調を維持したい」と言えば、伊東は「上が負けてくれるか分からないので、自分たちは今日みたいな試合をして、勝っていくしかない」と力を込めた。