高校サッカーで1月の全国選手権、今夏の総体に出場した札幌大谷の俊足MF大山武蔵(3年)が、来季JリーグのC大阪入りすることが15日、内定した。スピードを評価されて8月末にオファーを受け、合意に至った。近日中に正式発表される。常々「卒業後はプロでプレーしたい」と話す大山が、夢の扉を開いた。

 大山は7月の総体直前にC大阪の練習に5日間参加。日本代表MF山口蛍(25)らとプレーし「スピードは十分に通用する」と手応えを得た。同17日には札幌の練習生として練習試合に出場し、東海大北海道を相手に先制ゴールを挙げるなど、非凡な才能を見せた。

 元日本代表でC大阪チーム統括部のMF森島寛晃氏(44)は「他の選手よりかなり大回りで走っても先にボールに追いつく。間違いなく僕の現役時代より速いし、のびしろは大きい」と高く評価する。30メートル走3秒9は、陸上男子100メートルでウサイン・ボルト(30=ジャマイカ)が9秒58の世界記録を出した時の30メートル通過3秒78に肉薄する速さだ。

 C大阪は現在、J2でリーグ3位につける。大熊清監督兼強化部長(52)は「スピードはセレッソの中でもずば抜けて速い。サイドバックとしてやってもらうつもり。学校からは前向きな返事をもらっている。無名の選手がどう成長するか楽しみ」と期待を寄せる。札幌大谷から初のJリーガーは、大阪に向かう。

 ◆大山武蔵(おおやま・むさし)1998年(平10)9月11日、札幌市生まれ。札幌平岸小-札幌西岡中。小2の時にレアッリザーレでサッカーを始めた。中3の時に、札幌ジュニア所属でJFAプレミアカップ全道準優勝。位置はMF。利き足は右。家族は両親と兄姉。167センチ、61キロ。