JFLのホンダFC(静岡)がJ3盛岡(岩手)を2-1で下し、2007年以来9年ぶりの16強進出を決めた。前半26分、MF大町将梧(24)の3試合連続得点で先制。後半14分に同点とされるも、後半ロスタイムに途中出場のDF中川裕平(29)が決勝点を決めた。退場者2人を出し、守備を固める相手を土壇場で振り切った。4回戦は11月に行われる。

 ホンダFCの勢いが止まらない。県予選決勝から3試合連続でJリーグ勢を撃破してきた勢いそのままに、J3盛岡を退けた。9年ぶりの16強進出だ。

 終了目前に、歓喜の瞬間が待っていた。1-1で迎えた後半ロスタイム。DF細貝竜太(28)の右クロスに、逆サイドからDF中川が飛び込んだ。右足ダイレクトで決めた勝ち越し弾。中川はヒーローインタビューで興奮しながら振り返った。「みんな疲れていたので、延長前に決めたかった。チームを勝たせることができて良かったです」。

 1点リードの後半12、17分と相手が立て続けに退場者を出した。数的優位になったが、中央の守備を固める相手に1点が遠かった。しかし、攻め急がず、サイドを徹底的に突いた。結果、つかんだ1点差勝利。井幡博康監督(42)は「ブロックを作られて難しい試合になりましたが、外からの攻撃を徹底できたことが良かった」と勝因を語った。

 チームは2年ぶりの優勝を目指すJFLでも、現在第2ステージ2位につけている。この日、先制ゴールを決めたMF大町は3戦連発。故障明けのFW古橋達弥(35)、MF柴田潤一郎(34)の両ベテランも先発フル出場とチーム状態は上向きだ。「非常に状態が良い選手が多い。まずは、優勝のかかるリーグ戦があるので、そこへ照準を合わせて次の天皇杯に向かいたい」と井幡監督。07年以来の8強進出を懸けた一戦を見据え、もう一段ギアを上げる。