浦和MF阿部勇樹(35)が、史上6人目となるJ1通算500試合出場を達成した。35歳25日で到達。G大阪MF遠藤が持っていた35歳8カ月19日の最年少記録を破った。「今日は相手が相手。ずっといいゲームしてたけど勝ち点3を奪いきれなかった相手。勝てたことが一番。みなさんにおめでとうと言われるけど、それはおまけみたいなものだから。勝てたのがなによりうれしい」と喜びをかみしめた。

 連続フル出場記録も124試合に伸ばした。「鉄人」と呼ばれるが、プロデビュー当時は「ガラスのエース」と呼ばれるほど、ケガが多かった。

 「確かによくケガをしていました。でも、何かを変えたわけじゃない。とにかく当時は未熟だった。まだぜんぜんダメだった。やるたびにケガしていたわけですから。だけどトレーニングをしっかり続けてきたことで、身体が鍛えられて、けがが減った」

 特に「みなさんだいたい分かると思いますけど、指導をしてくれた監督もいた」と、千葉時代の恩師オシム監督への感謝の念を口にした。「僕らは助け、支えがあってこそ戦える。その方たちにも恩返しをしないと。僕は浦和で何も成し遂げていない。モチベーションと言われたら、やっぱり何かを成し遂げるのが目標」と話した。

 試合後にはペトロビッチ監督から花束を手渡され、抱擁からの流れでほおにキスをされた。「高ぶった末のキス。一緒に戦ってくれているのが分かる。この先はいっぱいチューされるような内容にしたい」。年間勝ち点1位に躍り出たリーグ戦だけでなく、5、9日にはルヴァン杯準決勝の東京戦が控えている。「決勝は埼玉スタジアムなんで、埼玉県のクラブとしては、なんとしても決勝に出ないと。まずは初戦が大事。頑張らないと」と意気込んだ。