柏MF中川寛人(21)が恩師との再対決を心待ちにしている。

 6日、千葉・柏市内で練習。4日に天皇杯4回戦の相手が湘南に決定したが「真っ向から勝負してきてくれる。楽しみ」と歓迎した。1日にリーグ戦で対戦した時は0-0で引き分けだった。「リーグで10連敗するようなチームではない」と警戒した。

 155センチとJリーグで最も背が低い男は、柏の下部組織で育ったが、プロ1年目から湘南に2年間の期限付き移籍。「プロフェッショナルのことは湘南で教わった。大きな財産だった」と言う。

 その当時、印象的な試合がある。13年7月10日の柏戦。中川は途中出場し、プロ初アシストを決めた。しかし、試合翌日のミーティングで、曹貴裁監督(47)からは褒められなかった。それどころか、選手達の前で“公開説教”を受けた。セットプレーの規律を守れなかった部分があったからだった。

 「それは今も残っています。ただ単に怒られたのではなく、あの時の僕を見て、強く言ってくれた。たかがアシストだった。そこからどの試合に出ても、チームのために、自分のやるべきことを全うしようと強く思うようになりました」

 プロの厳しさ、チームワークの心得を学んだ。あの時から3年。中川は柏で、着実にスタメンをつかみつつある。あの時、曹監督に怒られた経験は、今も糧になっている。

 「浮かれるなということだったと思います。活躍しても地に足つけて、自分を見つめてプレーしろということだったと思う。今もこれからも、一生心に残ると思う」

 1日のリーグ湘南戦。先発出場も見せ場を作れず後半23分に退いた。次こそは恩師の前で成長した姿を見せたい。