G大阪の関学大卒の新人FW呉屋大翔(22)が、PK失敗を糧にはい上がることを誓った。

 試合は1-1のままPK戦へ突入。両チーム3人が成功し4人目のキッカー呉屋を迎えた。シュートは正面に飛んでしまい、相手GK西川がセーブした。

 「自信はあったので、外してしまったということは(会場の)雰囲気にのまれていたところもあるかもしれない。でも、くよくよしてても意味はない。みんなに『前を向いて』と言われたので、今度は自分のゴールでタイトルに貢献したい」と、呉屋は悔しさを胸にしまい、気持ちを奮い立たせた。

 表彰式でも下を向かなかった呉屋は、試合後のロッカールームで早速、先輩たちからイジられた。MF倉田は「誰1人呉屋を責めていない。ガンバはこうやってすぐイジるから、呉屋も救われたところがあると思う。貴史(宇佐美)は(4月のACL水原戦で)PKを外して泣いていたけど、呉屋は泣いてなかったから、メンタルが強いと思う。頼もしい」と驚いていた。

 2年ぶり3度目の優勝を逃したが、延長を含めた120分間全てを出し切った。長谷川監督は「負けてこんなにすがすがしい気持ちは初めて。米倉は『上がらなくていい』と言ったのにボールが来たら攻撃参加していた。今ちゃん(今野)も頑張っていたし、陽介(井手口)は『これが20歳か?』というような躍動感を見せた。ヤット(遠藤)も足をつったけど最後までプレーしてくれた」と、それぞれの選手をたたえた。