G大阪が2年ぶり3度目の優勝を逃した。1-1で迎えたPK戦。ともに3人が成功し、迎えたG大阪の4人目は関学大卒の新人FW呉屋大翔(22)だった。浦和サポーターによるブーイングが充満する中、相手は日本代表GK西川。シュートはほぼ正面に飛び、両軍で唯一の失敗となった。

 「ガンバを背負って蹴ったので責任を感じている。気持ちの整理はできていないけど、この経験を無駄にしてはいけない。くよくよしても意味はない」

 PK戦に消極的だった選手もいた中、呉屋は「いきます!」と長谷川監督に立候補。延長後半15分にはシュートを放つが右ポストに当たり、決勝点を逃した。敗戦を受け止めた22歳は、長谷川監督や同僚がねぎらいに来ても涙は流さなかった。

 長谷川監督は「負けてこんなすがすがしい気持ちは初めて。呉屋はここから成長して、いつかタイトルをもたらしてくれたら」。今大会のニューヒーロー賞を獲得した20歳MF井手口も台頭、36歳MF遠藤が引っ張ってきたG大阪は変わりつつある。今季J1優勝は絶望的だが天皇杯で意地の3連覇を実現する。【小杉舞】