新潟はJ1残留の崖っぷちに立たされた。勝ち点30で年間順位は14位から15位に。

 同16位の名古屋に勝ち点で並ばれ、得失点差でかろうじて2、上回る状態。1-1の後半45分、浦和FW興梠慎三(30)に勝ち越しゴールを許し、5分間のロスタイムも攻めきれなかった。

 痛い1敗。「結果的に先制点を許したことが重かった」。片渕浩一郎監督(41)は悔しさを隠さなかった。

 前半7分、興梠に裏を取られてあっさりと失点。この日は今季最多の2万9692人の観客がスタンドを埋めた。勝ち点3が何が何でもほしい試合で、サポーターの後押しを受ける雰囲気はできていた。その出ばなをくじかれた。前半15分にFWラファエル・シルバ(24)が相手パスをカットして持ち込み、同点にしたが、結果的にこれが精いっぱいだった。

 吉田達磨前監督(42)から片渕監督に代わり、戦術を徹底させた。群馬・嬬恋村でのミニキャンプ(11~15日)を張り、ボールを奪いに行く姿勢とコンパクトな守備はチームに浸透した。縦に速い新潟らしい攻撃も戻っていた。

 ただ、詰めの甘さは解消できなかった。失点は試合の立ち上がりと終了間際で、取られたのは相手エース。

 強敵が続く2試合。ラファエル・シルバは「チーム一丸で絶対に2勝する」。あきらめない姿勢を白星につなげることが、必須になった。