MF加藤大(25)が今季自身初ゴールで、チームを残留に近づける。J1残留を目指す新潟は26日、第2ステージ第16節G大阪戦(29日・吹田スタジアム)に向けた練習を行った。

 加藤が必死の形相でボールに食らいついた。この日の練習の最後、ハーフコートで行った5対5の試合形式。サイドライン際でMF小泉慶(21)と体を張ってボールを奪い合う。倒れそうになりながらも、ルーズボールをものにしようと、前を向く。その次のセットでは、こぼれ球に走り込んでシュートを決める。

 G大阪戦、加藤が意識しているのは「自分でゴールを決めること」だ。今季はまだ公式戦無得点。もともと的確なパスが武器だが、「狙えるときは打つ」と今は得点にこだわっている。 前節浦和戦(22日)ではスプリント回数で自己最多の36回、走行距離は両チーム最長の14キロを記録。シーズン大詰めにきて、持ち味の機動力を発揮し、調子を上げている。

 シーズン序盤、チームが4-1-4-1のシステムを中心にしている時期は、2列目中央に入ることが多かった。第14節磐田戦、前節浦和戦と、ここ2試合は4-4-2のサイドハーフで2試合連続フル出場中。「やることがうまく整理できてきた」と、自分の持ち味がチームとかみ合ってきたという実感がある。片渕浩一郎監督(41)も「どこに入っても、走る。周囲との関係もいい」と及第点をつける。

 新潟は年間15位と、J2降格圏が迫る中で強敵との一戦を迎える。「みんな前向き。個人的にはG大阪がやりにくいとは思わない。スペースをうまく突けばチャンスになる」と、語気を強めた。【斎藤慎一郎】