千葉FW町田也真人(やまと=26)が、先制弾を決めるなど、首位札幌を土壇場まで追い詰めた。前半31分、MF井出遥也(22)のシュートをGKク・ソンユンが弾き、そのこぼれ球を右足で豪快に決めた。その後も前線を自由に動き回り、井出とのコンビを軸に攻撃の起点となった。

 166センチ、59キロとJ2でも小兵だが、この日のゴールで得点を今季チーム最多の11に伸ばした。それでも「個人的にはうれしいけど、もっと取れるチャンスはあった」と唇をかんだ。

 今季、ブレイクしたが、千葉に加入した12年から昨季までの3シーズンでのリーグ戦の得点は、昨季決めた1点のみ。昨季の終盤には出場機会がなくなり「悔しくてめちゃくちゃシュート練習をした」ことで一皮むけた。

 迎えた今季、チームはクラブとしてJ2史上最低の9位に沈んだことを受け、23人が退団して19人が加入と約3分の2の選手が入れ替わった。大変革のスタート自体が、異例だとメディアで報じられた中「逆に言ったら、一からのスタートだった。最初はなかなかチャンスがなかったけれど、スキルアップの機会だと思った」と、前向きなチャンスだと捉えた。

 7月には関塚隆前監督が退任し、長谷部茂利コーチが監督代行に昇格するなどチームは揺れたが、町田自身は長谷部監督代行の信頼を受け、前線で自由に攻撃のタクトを振ることを認められた。「どんどん動いて、ボールを(他の選手に)はたくのが自分の特徴。(攻撃のチャンスが)きそうだな、というのを、かぎつけられるようになった。ゴールを決められている自信からだと思う」と成長を感じている。

 一方で、今季ホーム最終戦を終え、20日の最終節・讃岐戦のみを残す段階で11位という順位には全然、納得していない。「攻撃が良くても点が入らず、最後にこうやって負けてしまうというのが今季のこの順位(11位)。攻撃陣の1人として責任は感じます。(チャンスを)逃さない選手になりたい。自分的には、まだまだ…もっと、もっとという感じ」と自ら手綱を引き締めた。【村上幸将】