なでしこリーグの岡山湯郷は14日、岡山・美作市内で記者会見を開き、谷本有造会長が前日13日に発表された元なでしこジャパンMF宮間あや(31)の退団について説明した。今月5日で契約満了。理由について同会長は今年6月に両膝を手術し、回復が思わしくないことを挙げ「残念でならないが、サッカーをするのに早く足を治してもらいたい。彼女の意思を尊重した」と語った。

 宮間は前日13日に仲間やスタッフなどへあいさつ。同会長は「けんか別れする訳ではない。円満にです。チームに対しての不満はないと思う」と強調した。今夏に宮間ら複数選手がクラブへ退団を申し入れ、最終的に残留。騒動の原因についての詳細は「過去の話はしない。前を向いていく。以上です」と説明しなかった。

 国際Aマッチ通算162試合38得点を誇る「女子サッカー界の顔」の宮間だが、膝の手術後に試合出場はなく、チームはリーグ戦最下位で2部降格が決定。当初は9月の復帰がメドとされていたが、現在はランニング程度でボールを蹴れる状態にないという。

 10月23日のリーグ最終戦後には、セレモニーに参加。しかし、クラブは宮間の取材を受け付けなかった。いまだに肉声で思いを発信する機会がない状況だが、その日の対応について谷本会長は「今の宮間を前に出す必要はないと思った。今の状況では出せない。私の判断です」と説明した。

 宮間は前日13日、クラブがメディアへ配信した書面に「ここに何を記せばいいのかわからないというのが正直な気持ちです。すべてをかけたこの地を離れるという決断は簡単ではありませんが、これまでたくさんのことを学ばせてもらったサッカーに、これから恩返しをしていけるような道を、私なりに探していきたいと思います」などとつづっていた。