仙台は19日、渡辺晋監督(43)と契約を更改し、同監督が来季も指揮を執ることを発表した。既に続投要請されていたが、「短い時間でしたが考えて、また選手と一緒に成長したいと思った」と、今季終了から2週間あまりたった後、正式に受諾した。

 冷たい雨の中で行われた同日の練習後、渡辺監督は報道陣を前に「今年1年の成績には満足していない。だが選手が成長していると確信した。自分が逃げ出してはいけない」。その顔からは練習中に見せていた笑みは消え、決意に満ちた真剣な表情に変わっていた。

 悩み抜いた末に決断した。0-1で敗れた3日、ホームでの最終戦(対磐田)、今季退団したFWウイルソン(31)のラストゲームも重なり、今季最多の1万9315人が集まり、大声援が送られた。でも、負けた。続投要請後も「モチベーション的にもこの上ない状況だったのに、勝ちきれなかったのは自分の責任。このままやっていいのかなと思った」と胸中は複雑だった。そんな中、元コーチの手倉森浩氏(49)と食事した際、「(相次いだ選手の)けがのせいにしてはいけない。その先があるんじゃないか」と後押しされたという。

 契約期間は1年。今季は年間5位以内を狙うも、12位だった。渡辺監督は「柔軟性を出したい。もう1度トップ5を見据えてやっていければ」。J1に限ると手倉森誠前監督(49)に次ぐクラブ史上2番目に長い4季目のシーズンとなる。培った経験値を、チームの歓喜に変えてみせる。【秋吉裕介】